黒部市公共交通戦略推進協議会では、交通まちづくり創生事業に取り組んでいます。平成28年9月・11月に「黒部市移動履歴調査」で市民の移動の目的地や手段を調査したところ、買い物目的地は大規模駐車場を備えた商業施設に集中していることがわかりました。また、通勤利用に比べると、買物では公共交通よりもマイカー利用度が高いようです。その他、「小さい公共交通実証実験」により自由度の高いデマンドシステムの検証を行いました。
黒部市では地域に合った効率的な利便性の高い「公共交通システム」の構築をめざしています。これらの事業の分析結果は、4月以降に公共交通ホームページ等で公開するほか、今後の市の公共交通整備に活かしていきます。
黒部市では、誰もが自由に移動し、活動できる都市空間の実現をめざしています。一方、YKKグループではマイカー通勤による様々な問題に直面していました。そこで、市の公共交通充実への取り組みに賛同し、プロジェクトに少しでも貢献したいと考えました。
YKKグループは「善の巡環」という企業精神に基づき、地域に根差し、共に発展してきました。黒部市の公共交通への取り組みは、地域の皆様にとって大変有益なものです。これからも企業市民の一員として、市や関係者の皆様と協力し、地域の発展のためにより一層努力していきます。
我が社では本社機能の一部移転などで都市部からの転勤者が増加しています。公共交通が充実することで転勤者の移動手段が広がり、不安解消にもつながります。また、市内にあるYKKグループの各拠点に勤める社員の約9割がマイカー通勤です。これも公共交通の利用が増えれば、余裕を持って駐車場を提供できるようになります。そのほか、交通渋滞の緩和、通勤事故リスクの軽減等がありますが、大きなメリットとして環境問題への取り組みが挙げられます。マイカー通勤の減少によって、試算では1人あたり平均で約60%のCO2排出量削減にもつながるそうです。社員のバス通勤へのシフトによってCO2年間排出量の大幅な削減も期待でき、地域社会にとっても大きなメリットになると思います。
「くろワンきっぷ」は春と秋に開催されるんですね。
「2017年春編」は3/25(土)〜4/30(日)の土・日曜、祝日に実施します。おかげさまで今回で21回目を迎えることができました。とてもお得なきっぷなので公共交通を利用するきっかけにしてほしいです。
期間中はさまざまなテーマでイベントが開催されるとか。
桜めぐりや、まち歩き、歩く鐡道展などボランティアガイドによるイベントを企画しています。意外に知らなかった黒部の魅力を発見できます。マイレール意識の高揚をめざして、地域の皆さんと駅舎のペイントラッピングをしたこともあります。HPでもイベントの詳細を紹介しています。お気軽にご参加ください。
「くろワンきっぷ」の楽しみ方は。
車窓や駅舎からの景色を眺める、駅周辺の穴場スポットを見つける、スタンプラリーに挑戦する、加盟店や施設のお得な特典を利用する。自転車を持ち込んでレール&サイクリングを楽しむのもいいですよ。自分なりの公共交通の楽しみ方を発見してください。
ワンコイン500円で黒部市内の地鉄電車およびバス(新幹線市街地線・新幹線生地線・池尻線・生地循環線・南北循環線)が1日乗り放題できるきっぷ。小学生は250円(乳幼児は無料)。 ※当日販売もあり
[ホームページ]http://www.kurowan.com/
通勤手段をマイカーから公共交通バスに変更されたとか。
バス時刻で出社・退社時間が決まるので、1日の計画が立てやすくなりました。現在は南北循環線で通勤するだけですが、休日に黒部市内を巡ってみたいです。
公共交通を利用して具体的なメリットはありますか。
富山に移住して、車の雪下ろしや慣れない雪道の運転が大変でしたが、バスの利用で朝にゆとりができました。ラッシュ時の事故等の不安からも解消。交通渋滞の緩和や歩行者にとって安全な環境づくりに貢献できればと思います。
黒部市の公共交通について期待することは。
公共交通の充実で「マイカーなし」の生活ができるよう期待しているし、自分も変化していきたい。自分も含め、地元の人も積極的に利用して、バスの増便につながるといいですね。
黒部市内の南北を結ぶ循環ルート。企業の社員通勤バスと市民の公共交通が一体となった新しい地域交通モデルです。産学官協働による社会実験として運行中です。