車は自分が行きたいときに行きたい場所へ行けるという強みがあります。公共交通は、バス停や駅まで移動があるうえ、決められた時間に出発します。車に慣れた生活をしていると、ちょっと不便だと感じるかもしれません。では、公共交通を利用することでメリットはないのでしょうか?
たとえば、車で往復20分程度の距離を公共交通で移動した場合、車より公共交通の方が平均で2倍以上、220kcalを消費できます。毎日続ければ、年間4〜6㎏の脂肪量が減らせます。これはバス停や駅まで歩いたりするためで、公共交通の利用は運動効果が期待できます。
さらに欧米の研究では、歩くことで糖尿病発症のリスクを下げることが報告されているそうです。運動効果によって生活習慣病のリスクが低減されれば、糖尿病や脳卒中等の医療費削減にも繋がります。暮らしに「公共交通」を取り入れて健康生活に役立ててみませんか。
「公共交通はいいけど運賃代が気になる」という声を聞くことがあります。でも、ちょっと待って!マイカーを購入した場合には「車両購入費」のほかに「維持費」がかかります。公共交通ならかかる費用は「運賃代」だけ。富山地方鉄道では電車およびバスの乗車運賃が10%割引になるICカード「ecomyca(えこまいか)」や63歳以上向けのお得な定期券「ゴールドパス」があります。また各コミュニティバスではお得な回数券の販売も行っていますので、賢く使いましょう。
黒部市では、70歳以上の方を対象に、ゴールドパス購入費用の一部助成を行っています。(限度額:10,000円まで/年)
【ゴールドパスに関するお問合わせ】 富山地鉄テレホンセンター 電話/076-432-3456愛本コミュニティタクシーは黒部市初の試みとして平成23年に導入されたんですね。
愛本地区は黒部川右岸に位置し、最寄りの地鉄・愛本駅までも遠い。地鉄バス路線の撤退、舟見タクシーの廃止が相次ぎ、高齢化率44%の地区としては「生活の足」の確保は切実でした。今ではコミュニティタクシーの車内は高齢者たちの交流の場となっています。
愛本コミュニティタクシーの利用状況はいかがですか。
愛本本線は高齢者の生活路線として一定の利用があります。一方のフィーダー線は通勤・通学や通院される人たち向けに導入されたものの、利用者が増えません。そこで、振興会で平成28年8月に路線の利用対象者にアンケート調査を実施しました。すると、フィーダー線の運行そのものを知らない住民が多く、PR活動の難しさを実感しました。
路線の安定継続に向けての取り組みは。
拡大版時刻表の作成、各種会合でのPR活動のほか、定期的な実態調査も続けたい。また、町内や個別の「マイ時刻表」が作れないか、高校生への「おためし乗車券」の配布や「まち歩きマップ」との連携等、アイデアを練っています。地区の生活事情・人口事情によって、公共交通への要望も異なります。地区住民の声にもっと耳を傾け、利用者へのきめ細かな対応が必要だと考えます。
愛本本線、愛本フィーダー線、栃屋大橋循環線、栗虫連絡線(予約式)があり、平日のみ運行する定時定路線の乗り合いタクシーです。
運賃/100~200円
新幹線市街地線をよく利用されているとか。
きっかけは、三日市老人クラブ・健朗会での体験乗車会に参加したこと。楽しかったですね!ただ、黒部宇奈月温泉駅付近にはゆっくりできる休憩スペースがあまりなく、喫茶店もないのが残念です。
新幹線の乗客だけでなく、高齢者のお出かけにも新幹線市街地線は利用できそうですか。
お友達とマックスバリュでのお買い物やパッシブタウンのカフェでお茶をするのに利用されると便利ですよ。 また地鉄のゴールドパス(63歳以上、1か月/7,200円)は、宇奈月温泉総湯や富山市へのお出かけにも市電やライトレールに乗れて、とてもお得でおすすめです。何よりも外へ出て、楽しく仲間づくりをするのが元気の秘訣かな。
黒部市の公共交通について期待することは。
新幹線市街地線の座席付近に一部段差があるので不便。また、沿線の老人クラブで路線やバスの乗り方の説明会を行うなど、積極的なPRが必要です。公共交通の活用法について、より丁寧な情報の発信を期待します。
新幹線市街地線は、あいの風とやま鉄道「黒部駅」と北陸新幹線「黒部宇奈月温泉駅」を結ぶ路線です。団体・個人の方にバス運賃が無料になる「おためし乗車券」を配布しています。(平成29年3月31日まで有効)